国連の経済社会局(UNDESA)による「世界電子政府ランキング」。
国連加盟193カ国を対象に、オンラインサービス、通信インフラ、人的資源の3分野の個別指標から「電子政府発展度指標」(EGDI:e-government development index)を算出しランキング(得点範囲は0.0~1.0)。2年ごとに実施している。
先進各国では、電子政府に向けた取り組みが盛んに行われている。
同ランキングでは、その潮流を垣間見ることができる。今回1位に躍進した英国は、HTML5などの新しいWeb技術を採用するなどトレンドを牽引。さらに、2014年に実施した行政事務のデジタル化により17億ポンドの経費を削減した点、オンラインサービスを原則とする「デジタル・バイ・デフォルト」を取り入れ、税務申告の85%、自動車運転試験予約の98%超がオンラインになった点などが高く評価された。いずれも市民の恩恵に密着している。
また、前回に続き2位のオーストラリアは、中央政府も地方政府も安全なシングルサインオンで多様な双方向型サービスを提供している点に加え、2015年7月に首相職の下に「デジタル・トランスフォーメーション・オフィス」を設置した点などが評価された。2010年調査から3期連続でトップだった韓国は3位、日本は2014年の6位から11位に後退した。報告書は韓国について「ランキングの低下は必ずしも他国より劣ったことを意味するのではなく、引き続きリーダーの地位にある」と評価。英国や北欧諸国の取り組みが加速していると言える。
なお、別に発表された「電子行政参加(e-participation)」のランキングでは、日本はオーストラリアと並び2位となり、前回2014年の4位から順位を上げた。こちらはインターネット経由の情報提供や、オンラインでの意思決定参加などが評価項目となっており、日本政府が注力してきたオープンデータ化の推進戦略などが評価を受けたようだ。
順位 | 2016年 | 2014年 | 2012年 |
---|---|---|---|
1位 | イギリス | 韓国 | 韓国 |
2位 | オーストラリア | オーストラリア | オランダ |
3位 | 韓国 | シンガポール | イギリス |
4位 | シンガポール | フランス | デンマーク |
5位 | フィンランド | オランダ | アメリカ |
6位 | スウェーデン | 日本 | フランス |
7位 | オランダ | アメリカ | スウェーデン |
8位 | ニュージーランド | イギリス | ノルウェー |
9位 | デンマーク | ニュージーランド | フィンランド |
10位 | フランス | フィンランド | シンガポール |
11位 | 日本 | カナダ | カナダ |
12位 | アメリカ | スペイン | オーストラリア |
13位 | エストニア | ノルウェー | ニュージーランド |
14位 | カナダ | スウェーデン | リヒテンシュタイン |
15位 | ドイツ | エストニア | スイス |
16位 | オーストリア | デンマーク | イスラエル |
17位 | スペイン | イスラエル | ドイツ |
18位 | ノルウェー | バーレーン | 日本 |
19位 | ベルギー | アイスランド | ルクセンブルグ |
20位 | イスラエル | オーストリア | エストニア |