これから起業やサービスを立ち上げる際に、必要となる資金。もちろん自己資金があればいいのですが、大きなサービスを制作するとなると余計に大きな金額が必要になってきます。
資金調達の方法として、「国や自治体からの補助金や助成金」「社内ベンチャー制度の利用」「ベンチャー・キャピタルからの出資」「日本政策金融公庫の新創業融資制度の利用」「クラウドファンディング」などあります。
その中で、今回「クラウドファンディング」を紹介したいと思います。
一般にクラウドファンディングというとこのタイプのサービスをイメージすることが多いようです。資金提供に対してリターンがなかったり、成果物などの一定の物品がリターンとして提供されるものです。(少額の場合にはリターンはお礼のメールだけというものが多くあります)
この種のクラウドファンディングとしては米国の「KickStarter」が有名ですが、日本でも「CAMPFIRE」や「GREENFUNDING」、「makuake」など多くのサービスがあります。「KickStarter」や「CAMPFIRE」などは基本的に誰でもプロジェクトを作って資金募集することができます。
実際に以下のような様々なプロジェクトが掲載されています。
資金募集の方法としては2種類ありますが、一般には達成支援型を採用するサイトが多いようです。
設定した期間内に設定目標金額に到達した場合のみ、資金提供が実施されます。目標金額に到達しない場合には、プロジェクト不成立となり資金提供は行われず資金は提供者に返却されます。ただしプロジェクト不成立の場合にはリターンの提供義務もありません。
目標や募集期間にかかわらず提供された資金はそのまま提供されます。一方で目標金額に到達しなくれも資金提供者に対するリターンの提供義務があります。
投資の1つの方法として急速に投資額が増加しているのが貸付型のクラウドファンディングです。
これは小口の投資資金を集約して貸付ファンドを組み、これを事業性資金として企業に融資するものです。あくまで融資なのでソーシャルレンディングとも呼ばれます。
通常は、銀行が預金者から資金を集めて企業などに融資するわけですが、起業して間もない企業などではなかなかまとまった融資が受けにくいと言うことから銀行を経由しないこういった貸付ファンドができました。投資側から見ると銀行を経由しないので金利が高く、融資なので株式投資のような値下がりリスクがないという利点があります。
一方で預金保護の対象にならないので、融資先が破綻するなどすると元本が保証されないというリスクがあります。日本では「maneo」「クラウドバンク」「SBIソーシャルレンディング」などがあります。
投資の1つの形として急速に取引額が増加しており世界的にはクラウドファンディング全体の40%程度を占めるにいたっています。
先の貸付型のクラウドファンディングが、資金を集めて企業に融資していたのに対してこの投資型クラウドファンディングは、集めた資金で未公開企業への株式投資を行います。購入した株はファンド運営会社を通して売買することができます。成長性の高い未公開企業に投資することで大きなリターンを得る可能性がありますが、一方で通常の株式投資よりも流動性も低くリスクも大きくなります。
寄付型クラウドファンディングの1つですが、スポーツの競技団体やアスリートを資金提供の対象としたクラウドファンディングです。スポーツファンディングの場合には寄付の要素が強く、資金提供の形も即時提供の形が多いようです。リターンも遠征後のファン参加イベントへの招待やサインなどがほとんどです。
一方で有名選手に会費を支払いアドバイスを受けると言うような形のWEBサービスも盛んになってきています。
WEBサービスの拡大はとどまるところを知らず、クラウドファンディングのような金融の分野まで拡大してきました。金融などの公共サービスに属する分野になると法的な整備が追いつかないと悪用されるリスクも大きくなってきます。活用する側もリスクをしっかり把握した上で活用することが重要です。